
アナルセックス(肛門性交)は、性感染症に感染する可能性が高い性行為です。
性器ではなく排泄器官である肛門は、膣より狭く伸縮しにくいうえ、膣分泌液のような潤滑液も分泌されないので、膣性交ほどスムーズに男性器を挿入することはできません。無理に挿入をすると出血や炎症のリスクが高まります。
また挿入だけでなく、ピストン運動もリスクの高い行為です。動くことで粘膜が擦れて傷ができた結果、血液や体液を介して性病に感染しやすくなります。
目次
アナルセックスにより感染リスクが高まる9つの性病・病気
アナルセックスによって感染しやすい性病として、梅毒やクラミジア、HIVなどがあります。感染リスクが高い9つの病気と症状、治療法をまとめました。
病名 | 症状 | 治療・改善の方法 |
梅毒 | 1期:性器、肛門、口などの硬いしこり 2期:手、足、体の赤い発疹 3期:全身の炎症 4期:脳や心臓の病変 | 薬物療法、筋肉注射 |
B型肝炎 | 発熱、倦怠感、悪心、嘔吐、褐色尿、黄疸 | 薬物療法(慢性の場合) |
C型肝炎 | 発熱、嘔吐、暗色尿、灰白色便、関節痛、黄疸 | 薬物療法(慢性の場合) |
エイズ(HIV感染症) | 発熱、リンパ節の腫れ、喉の痛み、皮疹、下痢 ※無症状のこともある | 抗HIV薬の服用(エイズの発症を防ぐ) |
クラミジア | 肛門周辺の痒みや痛み・出血、排尿時の違和感、尿道からの膿、不正出血(女性)、下腹部痛(女性) ※無症状のこともある | 薬物療法 |
淋病 | 肛門周辺の痒みや不快感、排尿時痛、尿道からの膿、精巣の腫れ | 薬物療法、点滴 |
性器ヘルペス | 肛門周辺の痒みや不快感、排尿時痛、性器の痛み・水ぶくれ、発熱、倦怠感 | 薬物療法 |
HPV感染症 | 尖圭コンジローマや肛門がん、陰茎がん、子宮頸がんなどの原因となる | ワクチンによる予防(治癒効果はなし) ※がんなどが発生した場合は、疾患・症状に適した治療を行う |
尖圭コンジローマ | 性器や肛門に無数の小さなイボができる、痒み、灼熱感、不快感 | 外科的治療(切除や焼灼) 薬物療法 |
※上記の症状や治療法は一例です。
参考:
性病感染につながるアナルセックスのデメリット

アナルセックスによって性病感染リスクが増加する背景には、「肛門の損傷」と「排泄物汚染」の2つのデメリットがあります。
各デメリットをみていきましょう。
男性器の挿入による肛門の損傷
冒頭でも解説したように、肛門は膣に比べ狭くて伸縮しにくいうえに摩擦も生じやすいので、男性器の挿入による出血リスクが高いです。
出血によって、傷口からの病原体の侵入と、血液を介した病原体の感染の両方の可能性が上がります。そのため、アナルセックスでは挿入される方も、挿入した方も性病感染のリスクにさらされるのです。
また肛門は排便の度に刺激が加わるうえ、清潔な状態を保ちにくい器官のため、損傷が治りにくいというデメリットもあります。
腸内の不十分な洗浄による排泄物汚染
アナルセックスを行う前には、腸内の洗浄(浣腸)が必要です。洗浄が不十分だと、挿入した男性器に排泄物が付着することがあります。排泄物の付着によって、尿道口から大腸菌が入り込み、尿路感染症にかかる危険があるのです。
また、腸内に排泄物が大量に残っている場合は、男性器へ付着するだけでなく、漏れ出る可能性もあります。排泄物が漏れることで寝具などが汚染され、衛生状況が悪化します。
ゲイ男性は性病に感染しやすい?

男性同士の性行為は、異性間の性行為より性病に感染しやすいという考え方があります。事実、2020年の新規HIV感染者およびエイズ患者のおよそ7割が、男性同士の性行為が原因で感染したというデータもあるほどです。
また、アナルセックスやオーラルセックスの頻度が高くなる男性同士の性行為では、HIVだけでなく、肛門や尿道、咽頭の性病にかかるリスクも高くなります。
アナルセックスが性病に感染しやすいことは説明した通りです。それに加えて男性同士の性行為では避妊の必要がないため、コンドームを使用するケースが少ないことも、感染者数増加の一因です。
一般的に「男性器を挿入される方(ウケ/ネコ)はパートナーの体液が体内に残るので、感染確率が高い」とされていますが、挿入する方(タチ)もパートナーの腸粘液を介して感染する恐れがあります。
アナルセックスはウケ/ネコ、タチのどちらにとっても危険な行為です。
参考:
厚生労働科学研究成果データベース|過去6ヶ月間のコンドーム常用状況
肛門の性感染症4つの予防方法

肛門の性感染症予防には、以下4つの方法が有効です。
- コンドームの使用
- ワクチン接種
- 予防薬の活用
- 性行為の相手の限定
コンドーム着用
コンドームは避妊だけでなく、性病予防のための用具という側面もあります。男女の膣性交時はもちろん、アナルセックスやオーラルセックスの際もコンドームを着用することで感染リスクを減らせます。
コンドームの着用を拒否された場合は、性行為を断る方が安全です。
ワクチン接種
B型肝炎やHPV感染症、淋菌感染症は、ワクチンの接種で感染予防ができる性感染症です。ただし、複数回の接種が必要なワクチンもあり、1回の接種ですぐに予防効果が得られるわけではありません。
抗体が得られる期間を考慮して接種スケジュールを立てましょう。
予防薬の活用
一部の性病については、予防薬の活用も有効な予防策の1つです。
HIV感染の予防薬に「PrEP(プレップ)」、梅毒・クラミジア・淋病の感染予防薬に「Doxy PEP(ドキシペップ)」があります。
ドキシペップは性行為後に服用しても予防効果が期待できるため、緊急時の対策としても有用です。
性行為の相手の限定
性行為の相手を限定することで、性病の感染リスクを大きく軽減できます。お互いに性病に感染していなければ、性行為による感染がまず起こらないからです。
ただし、これは両者がお互いに限定的なパートナーであり、他者との性行為がないことが前提になります。自分だけが相手を限定しても予防効果はほとんど期待できないので、注意してください。
肛門の性感染症の検査方法
「肛門の性病に感染しているかどうか」あるいは「どんな性病に感染しているのか」を正確に知るためには、検査を受けなければなりません。
検査方法は、「専門医療機関での検査」と「性病検査キットによる検査」の2通りです。
専門医療機関での検査
性感染症は病院やクリニック、保健所などで検査可能です。機関によって、「費用や検査方法」「検査項目」「治療まで一貫して受けられるのか」などの特徴が異なります。事前に必要事項について調べ、希望の検査を行っている施設を利用しましょう。
池袋マイケアヒルズタワークリニックは、性病に関する専門医療機関として、性感染症の検査および治療を行っています。
2項目肛門チェックセット7,900円
クラミジア・淋菌はアナルセックスで肛門にも感染します。
- 検査項目
- クラミジア(性器) クラミジア(のど) クラミジア(肛門) 淋菌(性器) 淋菌(のど) 淋菌(肛門) トリコモナス カンジダ 一般細菌 HIV HPV 梅毒 B型肝炎 C型肝炎 マイコプラズマ(のど) マイコプラズマ(性器) ウレアプラズマ(性器) ウレアプラズマ(のど)
- 検査方法
- 肛門ぬぐい
- 検査時期
- 感染の機会からすぐに受けられます。
- 検査結果
- 5~7日後(Web確認可)
【郵送】性病検査キット
「医療機関へ行く時間がない」「誰にもバレたくない」という方には、郵送検査キットがおすすめです。
購入から検査の実施、結果確認に至るまでオンラインで完結できるため、手軽かつ、病院に出入りするところを他人に見られることもありません。
製品や価格によって検査可能項目が異なるので、購入前に確認してください。
郵送検査キットのメリット

郵送検査キットは、医療機関での診察不要で購入できます。また、全国どこから注文しても、基本送料無料です。注文から受け取り、検査結果の確認までスマホ1つで完結。ご自宅にいながら検査を受けていただけるので、人目が気になる方も安心です。
また、誰にも知られたくないという患者様のお気持ちに配慮して、バレないような梱包でキットをお送りします。
池袋マイケアヒルズタワークリニックの肛門性感染症検査キット
2項目肛門チェックセット7,900円
クラミジア・淋菌はアナルセックスで肛門にも感染します。
- 検査項目
- クラミジア(性器) クラミジア(のど) クラミジア(肛門) 淋菌(性器) 淋菌(のど) 淋菌(肛門) トリコモナス カンジダ 一般細菌 HIV HPV 梅毒 B型肝炎 C型肝炎 マイコプラズマ(のど) マイコプラズマ(性器) ウレアプラズマ(性器) ウレアプラズマ(のど)
- 検査方法
- 肛門ぬぐい
- 検査時期
- 感染の機会からすぐに受けられます。
- 検査結果
- 5~7日後(Web確認可)
来院が難しい方は郵送検査キットがおすすめ
池袋マイケアヒルズタワークリニックでは、距離や時間的な理由で来院が難しい方に向けて、郵送検査キットを販売中です。
ご自宅にいながら性病検査ができるうえ、商材がわからないような梱包を施すなど、プライバシーにも配慮しています。
全国どこでも送料無料で、最短で翌日にキットが到着するので、ご来院が難しい方はぜひご活用ください。

感染の機会からすぐに受けられます。

肛門の性感染症に関するよくあるご質問
1回でもアナルセックスをすると、性病に感染するのでしょうか?
アナルセックスは性病に感染するリスクが高いので、たとえ1回でも性病に感染する可能性があります。そのため、アナルセックスを行う際はコンドームを着用しましょう。
「コンドームを使用せずにアナルセックスをしてしまった」などリスクの高い行為があった場合は、回数に関係なく検査を受けることをおすすめします。
コンドームを使えば性病の感染は防げますか?
コンドームを着用すれば、アナルセックスを含む性行為による感染リスクを大きく下げることができます。ただし、コンドームを使用しても感染を100%防ぐことはできません。コンドームの使用と合わせて、予防薬などとの併用をおすすめします。
無症状でも検査は必要ですか?
無症状のまま進行する性病も少なくありません。リスクの高い行為を行った場合は、自覚症状の有無に限らず検査を受けてください。
また、日常的に感染リスクの高い方は、定期的に検査を受けることをおすすめします。
検査はパートナーと一緒に受けるべきでしょうか
はい、できる限り、パートナーと一緒の検査をおすすめします。お互いの感染状況を把握し、正しく対処しなければ、パートナー間で感染を繰り返してしまう「ピンポン感染」に陥る可能性が高いからです。安全な性行為のためには、お互いが性病に感染していない必要があります。