デリケートゾーンのかゆみの原因・対処法【男女】

デリケートゾーン(陰部)のかゆみの原因と対処法

デリケートゾーン(陰部)のかゆみは、人に相談しにくい症状の一つです。軽度のかゆみで自然に治まる場合もありますが、夜も眠れないほど強いかゆみに悩まされる方も少なくありません。

特に激しいかゆみは、性感染症などの病気のサインである可能性が高いです。かゆみに耐えきれずかきむしってしまうと、炎症やさらなる感染を引き起こすリスクがあります。

症状を悪化させないために、デリケートゾーンのかゆみの原因や適切な対処法を理解しておきましょう。

デリケートゾーン(陰部)のかゆみの原因は?

デリケートゾーンの痒みの原因は感染症かかぶれ

デリケートゾーンのかゆみの原因は、大きく分けて「性感染症」と「かぶれ(接触皮膚炎)」の2つがあります。

性感染症

感染症によってデリケートゾーンにあらわれるかゆみなどの症状例

デリケートゾーンの性感染症のほとんどは、性行為が原因です。

オーラルセックスを含む性行為など通じて細菌、ウイルス、真菌(カビ)などが感染し、かゆみや炎症などの症状を引き起こします。

性感染症がかゆみの原因の場合、自然治癒はほとんど期待できません。放置するとかゆみだけでなく、痛みや臓器への感染拡大など他の症状が悪化し、深刻な合併症を招く恐れがあります。

早期に医療機関で検査を受け、適切な治療を行うことが不可欠です。

かぶれ

デリケートゾーンのかぶれの原因は蒸れや下着の締め付け

デリケートゾーンのかゆみのもう一つの原因は、皮膚への外的な刺激による「かぶれ(接触皮膚炎)」です。

蒸れや下着の締め付け、肌に合わない物質によるアレルギー反応などが、かぶれを引き起こす要因として挙げられます。

女性の場合は、生理用ナプキン、おりものシート、タンポンの長時間の使用が原因でかぶれが生じるケースが多く見られます。また、男性では下着の蒸れや、コンドームの材質が肌に合わず、アレルギー反応を起こしてかゆみが発生することがあります。

かぶれが原因の場合、セルフケアでかゆみを改善できる可能性はありますが、誤った方法で処置するとかえって症状が悪化する恐れもあるため、注意が必要です。

このデリケートゾーン(陰部)のかゆみは性病?セルフチェック

デリケートゾーンのかゆみに加えて

・性器やその周辺に赤み、水ぶくれ、イボなどがある
・排尿時に痛みを伴う
・尿道からうみが出る
・おりものの量、色、におい、形状に変化がある

上記に該当するものがある場合、デリケートゾーンのかゆみの原因は、かぶれではなく感染症の可能性が高いです。

池袋マイケアヒルズタワークリニックでは、予約不要で匿名検査を承っております。お悩みの方は、当クリニックまでご相談ください。

デリケートゾーン(陰部)のかゆみを引き起こす性感染症

デリケートゾーンのかゆみの原因となる性感染症

・梅毒
・クラミジア
・淋菌感染症(淋病)
・トリコモナス
・性器ヘルペス
・カンジダ
・マイコプラズマ/ウレアプラズマ
・毛じらみ
・いんきんたむし

デリケートゾーンのかゆみを引き起こす可能性のある感染症は上記のとおりです。それぞれについて、簡単に解説します。

梅毒

梅毒トレポネーマという細菌が原因で発症する性感染症です。

初期段階では、陰部にしこりやかゆみが現れる場合があり、その後、身体に梅毒特有の赤い発疹(バラ疹)が出現します。

放置すると、心臓や血管、神経系にまで影響を及ぼし、心血管系梅毒や神経梅毒といった命に関わる症状に進行することがあります。

クラミジア

クラミジア・トラコマチスという細菌が引き起こす性感染症です。

男性は、尿道炎による尿道のかゆみやむずむず感、排尿痛が主な症状です。女性は、自覚症状が少ないことが多いですが、おりものの増加や不正出血が見られる場合があります。

淋菌感染症(淋病)

細菌の一種である淋菌による感染症で、男性に症状が出やすいのが特徴です。男性は強い排尿痛や尿道のかゆみ、多量のうみが出る場合があります。

女性は無症状のケースが多いですが、外陰部のかゆみや膣の灼熱感(ヒリヒリ感)、おりものの異常が現れることがあります。

トリコモナス

腟トリコモナス原虫が感染して発症します。性行為による感染が主ですが、下着やタオル、便座、浴槽を介して感染するケースもゼロではありません。

男性は排尿時の違和感や痛み、尿道からの微量の分泌物が症状として挙げられますが、感染から日数が経っても無症状の方も多くいます。女性は外陰部のかゆみや赤み、排尿痛、悪臭のある泡状のおりものが特徴です。

性器ヘルペス

単純ヘルペスウイルス(HSV)による感染症で、男女共に性器に1~2mm程度の水ぶくれができます。単純ヘルペスウイルスはオーラルセックスなどで、口から性器へ感染する可能性もあります。

外陰部や性器、肛門の腫れや痛み、かゆみを伴い、放置によって悪化すると、高熱排尿困難歩行困難を引き起こす場合があるため、早めの検査・治療が必要です。

カンジダ

カンジダ菌は体内に常在する真菌(カビ)の一種です。性的接触がきっかけで発症するほか、免疫力の低下ホルモンバランスの乱れによって感染症を引き起こす場合もあります。

発症の多くが女性で、生涯のうちで75%が少なくとも1回は罹患するといわれています。

発症すると女性は膣や外陰部に強いかゆみが生じ、酒粕状やカッテージチーズ状のおりものが増加します。男性は亀頭やカリに、赤み、かゆみ、白いカスが生じる傾向があります。

参考:産婦人科診療ガイドライン-婦人科外来編2023

マイコプラズマ・ウレアプラズマ

マイコプラズマ・ウレアプラズマは、どちらも「非クラミジア性非淋菌性尿道炎」を引き起こす細菌の一種です。

男性は尿道のかゆみ、排尿痛、膿などの症状が現れることがあります。女性は感染後も無症状のケースが多いものの、おりものの増加、外陰部のかゆみ、子宮頸部の炎症が見られる場合があります。

毛じらみ

毛じらみは、寄生虫が皮膚や毛に寄生することで発症します。

感染から1~2か月後に感染部位に強いかゆみが現れるのが特徴で、感染部位は性器周辺の陰毛部分が中心ですが、腋毛や胸毛、まれにまつ毛にも寄生することがあります。

皮膚に赤みや発疹が出ないため、湿疹や他の感染症と区別がつきにくいことがあります。誤った治療を行うと、より感染範囲を広げるほか、思わぬ皮膚トラブルを招く原因になるため、まずはクリニックにご相談ください。

いんきんたむし

いんきんたむしは、水虫の原因である「白癬菌(はくせんきん)」が股間や太ももの内側、臀部に感染することで発症します。

厳密には性感染症ではありませんが、性行為のほか、タオルや衣類の共有、共同浴場などで感染するケースも少なくありません。

治療には抗真菌薬(外用薬や内服薬)が用いられ、完全に治癒するまで数週間から数か月かかります。治療を怠ると慢性化するケースがあるため、早めに医療機関を受診しましょう。

デリケートゾーン(陰部)のかゆみ対処法

デリケートゾーンのかゆみを和らげるための方法である、市販薬の使用と医療機関での治療について詳しく解説します。

①市販薬での対処

デリケートゾーンのかゆみの対処法である市販薬

デリケートゾーンのかゆみを抑えるための市販薬は、ドラッグストアなどで手軽に購入可能です。これらの薬には、かゆみを抑える抗ヒスタミン成分や、抗炎症効果を持つ成分が含まれているものがあります。

女性向けには、膣カンジダの再発予防を目的とした軟膏や膣錠が、男性向けには、陰茎や陰のうのかゆみや湿疹に対応した外用薬が販売されています。

ただし、市販薬はあくまで一時的な症状の緩和を目的としたものです。インターネット上では、ステロイドやオロナイン、ワセリンなどの市販薬を使い「デリケートゾーンのかゆみが治った」という情報も挙がっていますが、真偽のほどは定かではありません。

特に、かゆみの原因が性感染症である場合、市販薬での根本的な治療はほぼ不可能です。症状が改善しない場合や再発を繰り返す場合は、医療機関での検査や治療を受けましょう。

②医療機関での検査・治療

デリケートゾーンのかゆみの対処法である医療機関での検査・治療

池袋マイケアヒルズタワークリニックでは、デリケートゾーンのかゆみの根本解決のために、医療機関での検査と治療を推奨しています。症状の原因を特定すれば、適切な治療法や薬の選択が可能です。

デリケートゾーンの症状は皮膚科、泌尿器科、婦人科のほか、性感染症が疑われる場合は性感染症内科(性病科)を受診しましょう。

当クリニックは、医師の性感染症の診察料(初診、再診)無料で、検査から治療までを実施しています。ご不安な方はお早めにご相談ください。

池袋マイケアヒルズタワークリニックの性病検査

当クリニックではデリケートゾーンのかゆみがある方に対して以下の性病検査をご用意しています。

  1. おりものチェックセット
  2. 定期検査セット
  3. クラミジア(性器)・淋菌(性器)セット
  4. クラミジア・淋菌フルセット

また、池袋マイケアヒルズタワークリニックでは、検査から治療までを一貫して行っています。検査で陽性が出た場合は、症状に合わせた治療薬を当日にお渡し可能です。保険証・予約不要でご来院いただけますので、お気軽にお越しください。

料金表

5項目おりものチェックセット8,400

おりものに異常がある場合におすすめのセットです。

検査項目
クラミジア(性器) クラミジア(のど) クラミジア(肛門) 淋菌(性器) 淋菌(のど) 淋菌(肛門) トリコモナス カンジダ 一般細菌 HIV 梅毒 B型肝炎 C型肝炎 マイコプラズマ(のど) マイコプラズマ(性器) ウレアプラズマ(性器) ウレアプラズマ(のど)
検査方法
女性:腟ぬぐい液
検査時期
感染の機会からすぐに受けられます。
検査結果
2~5日後(Web確認可)
8項目定期検査セット18,000

定期的に検査結果の提出が必要な方に人気のセットです。

検査項目
クラミジア(性器) クラミジア(のど) クラミジア(肛門) 淋菌(性器) 淋菌(のど) 淋菌(肛門) トリコモナス カンジダ 一般細菌 HIV 梅毒 B型肝炎 C型肝炎 マイコプラズマ(のど) マイコプラズマ(性器) ウレアプラズマ(性器) ウレアプラズマ(のど)
検査方法
男性:尿、うがい液、血液
女性:腟ぬぐい液、うがい液、血液
検査時期
感染の機会から6週間経過すれば受けられます。
検査結果
2~5日後(Web確認可)
2項目クラミジア(性器)・淋菌(性器)セット6,900

クラミジア・淋菌の性器への感染が気になる方に。

検査項目
クラミジア(性器) クラミジア(のど) クラミジア(肛門) 淋菌(性器) 淋菌(のど) 淋菌(肛門) トリコモナス カンジダ 一般細菌 HIV 梅毒 B型肝炎 C型肝炎 マイコプラズマ(のど) マイコプラズマ(性器) ウレアプラズマ(性器) ウレアプラズマ(のど)
検査方法
男性:尿
女性:腟ぬぐい液
検査時期
感染の機会からすぐに受けられます。
検査結果
2~5日後(Web確認可)
4項目クラミジア・
淋菌フルセット
9,900

クラミジア・淋菌の感染を「性器」と「のど」トータルでチェックします。

検査項目
クラミジア(性器) クラミジア(のど) クラミジア(肛門) 淋菌(性器) 淋菌(のど) 淋菌(肛門) トリコモナス カンジダ 一般細菌 HIV 梅毒 B型肝炎 C型肝炎 マイコプラズマ(のど) マイコプラズマ(性器) ウレアプラズマ(性器) ウレアプラズマ(のど)
検査方法
男性:尿、うがい液
女性:腟ぬぐい液、うがい液
検査時期
感染の機会からすぐに受けられます。
検査結果
2~5日後(Web確認可)

デリケートゾーン(陰部)のかゆみに関するよくあるご質問

デリケートゾーンのかゆみを感じた場合、どの科を受診すればよいですか?

デリケートゾーンのかゆみにはさまざまな原因が考えられるため、症状に応じて皮膚科、泌尿器科、婦人科、性感染症内科(性病科)などへの相談が適切です。

デリケートゾーンがかゆいのですが、数カ月は性行為をしていません。性病でなくかぶれてでしょうか?

性感染症の中には、数カ月単位で潜伏期間を経てから症状が現れるものがあります。そのため、長期間性行為がなかったとしても性感染症を完全に否定することはできません。かゆみがかぶれによるものか性感染症によるものかを正確に判断するには、専門クリニックでの検査が必要です。池袋マイケアヒルズタワークリニックでは、症状に応じた性感染症の検査を行っています。どの検査が自分に適しているか分からない場合は、医師やスタッフにお気軽にご相談ください。

妊娠中にデリケートゾーンにかゆみを感じ、調べたら膣カンジダかもしれないとありました。胎児に影響はありますか?

妊娠中はホルモンバランスの変化により膣カンジダが再発しやすくなります。かゆみが膣カンジダによるものであれば、出産時に胎児が感染し、口腔内カンジダ症(鵞口瘡)や皮膚の炎症を引き起こす可能性があります。しかし、外陰部のかゆみが膣カンジダによるものかは検査を行わないと判断できません。他の性感染症が原因である場合、早産や流産のリスクが高まる場合もあるため、症状を感じたらなるべく早く医療機関を受診し、正確な診断と治療を受けることが大切です。

夜だけデリケートゾーンのかゆみが強くなることはありますか?

夜になるとかゆみが強くなる原因として、入浴時の過度な洗浄による肌の乾燥や、布団に入り体温が上昇して、温度差が刺激になることなどが挙げられます。入浴後は保湿剤で肌を潤すほか、かゆみがあまりにも強い場合は、保冷剤を清潔なガーゼやタオルでくるみ、かゆみのある部分に当てると、かゆみが軽減される場合があります。どちらも対処療法であり、かぶれや性感染症を治す効果はないため、根本的な解決には専門クリニックでの検査が必要です。

監修医師

前出 喜信(まえで よしのぶ)医師

前出 喜信(まえで よしのぶ)医師の写真

池袋マイケアヒルズタワークリニック、天神マイケアクリニック 顧問医師(母体保護法指定医・産科婦人科専門医)

島根医科大学医学部医学科を卒業後、長年産婦人科医としてクリニックや病院勤務で経験を重ね、2025年1月池袋マイケアヒルズタワークリニック顧問医師に就任。

著書

マイコプラズマ・ウレアプラズマ性感染症
~よく知られていないから、知ってほしい性感染症~
前出 喜信(まえで よしのぶ)医師 出版

前出 喜信(まえで よしのぶ)医師著書『マイコプラズマ・ウレアプラズマ性感染症~よく知られていないから、知ってほしい性感染症~』の写真
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