尖圭コンジローマの検査・治療

「尖圭（せんけい）コンジローマ」は、性感染症のひとつです。男女関係なく性器に「イボ」が現れるのが特徴的なため、周囲に気づかれる可能性があります。

また、日本でも感染者が増加しているうえに再発率も高い病気なので、注意が必要です。

このページでは、尖圭コンジローマの感染原因や感染経路、症状、治療法などについてくわしく解説します。

尖圭コンジローマとは

尖圭コンジローマは、性行為によって低リスク型HPV（ヒトパピローマウイルス）に感染することで発症しますが、悪性でないことが多いです。

感染すると男性・女性ともに性器周辺などに尖ったイボができ、未治療のままだと悪性化する可能性もあるため、早期の適切な対応が重要です。

尖圭コンジローマの原因

尖圭コンジローマは、HPVが原因で感染します。

HPVには、100種類以上の型がありますが、その中でも「低リスク」に分類される6型と11型が尖圭コンジローマの原因ウイルスです。しかし、尖圭コンジローマと同時に高リスク型HPVに感染することもあります。

高リスク型HPVとは子宮頸がんや膣がん、咽頭がんなどの原因となるウイルスです。近年では高リスク型の同時感染の増加も報告されています。

尖圭コンジローマに感染した場合はすみやかに、適切な治療を受けましょう。

尖圭コンジローマの感染経路

尖圭コンジローマの代表的な感染経路は性行為です。皮膚や粘膜の小さな傷口から、HPVが体内に侵入することで感染します。

また、まれなケースではありますが、出産時に母子感染する可能性も報告されています。現在の感染状況が心配な方は、検査を受けることをおすすめします。

コンジローマにストレスは関係する？

尖圭コンジローマは性行為によって感染するため、ストレスが原因となることはありません。

ストレスが性器周辺の皮膚疾患やおりもの異常などを引き起こすこともありますが、尖圭コンジローマとは別の症状です。

お風呂やキスでコンジローマに感染する？

入浴による感染リスクは低いです。しかし、口の中や唇に症状が出ている人とキスをすれば感染する恐れがあります。

また、手指にHPVが付着したまま、性器や粘膜、傷口などに触れることで感染するケースも考えられます。

尖圭コンジローマがうつる確率

尖圭コンジローマの感染者と性行為をした場合、約80%の高確率で感染します。

また、ワクチン未接種の性行為経験者の80%程度が、生涯のどこかでHPVに感染するとされおり、尖圭コンジローマがうつる確率は非常に高いです。

参考：MSDマニュアル プロフェッショナル版 ヒトパピローマウイルス（HPV）感染症

男性の尖圭コンジローマの感染部位

男性の場合、尖圭コンジローマの主な感染部位は陰茎（特に亀頭）や尿道、陰嚢、肛門、口内、唇などです。

オーラルセックスを含む、性行為が原因で感染します。

口の中や唇のイボは口内炎と勘違いしがちですが、尖圭コンジローマは目立った痛みやかゆみがないことが特徴です。

女性の尖圭コンジローマの感染部位

女性の尖圭コンジローマの主な感染部位は、大陰唇や小陰唇、膣前庭、膣内部、肛門、口内、唇周辺などです。

腟内部は、イボの発生に気づきにくい部位なので注意しましょう。また男性と同様に、口内のイボは口内炎と勘違いしがちです。

尖圭コンジローマの症状

尖圭コンジローマの症状は、下記です。

尖圭コンジローマを発症すると、先のとがったピンクや茶色の小さなイボが性器や肛門およびその周辺、口内などにできます。ほとんどの場合、痛みやかゆみを伴うことはありません。

しかし、進行するとイボが大きくなり、数も増えていきます。イボ同士が一体化すると、にわとりのトサカやカリフラワーのような見た目になり、出血や痛み、かゆみを引き起こす可能性があります。

出血や痛み、かゆみなどを放置すると症状がどんどん進行するだけでなく、悪性化してしまうおそれもあるので、早めに治療しましょう。

コンジローマの進行スピード

発症からの進行スピードには個人差があります。そのため、「イボの増殖の程度」や「目立つほど大きくなるまでの期間」を明言することは困難です。

しかし、時間が経つとイボの数も増え、大きくなっていくことは、人によらず共通しています。症状を抑えるためには、治療が必要です。

コンジローマと症状が似ている現象・病気

尖圭コンジローマと症状が似ている生理現象や病気の例は以下の通りです。

フォアダイス、真珠様小丘疹、包皮腺は性感染症ではなく、生理的な現象です。そのため、治療の必要はありません。しかし、生理現象なのか尖圭コンジローマなのかを自分で判断するのは難しいので、医師に相談しましょう。

一方で、扁平コンジローマは早急な治療が必要な疾患です。尖圭コンジローマと同様に、肛門周囲の皮膚や外陰部にイボができます。尖圭コンジローマとの違いは、イボが扁平（先端が平べったい）点です。

扁平コンジローマは、梅毒の2期症状の可能性があります。梅毒は進行すると命の危険に関わるため、早期発見・早期治療が重要です。

池袋マイケアヒルズタワークリニックでは、尖圭コンジローマや梅毒など、幅広い性感染症の検査・治療が可能です。匿名で検査ができますので、気になる症状がある場合は、ぜひ当クリニックまでご相談ください。

コンジローマのセルフチェック項目

コンジローマは、イボができる部位や見た目に特徴があり、簡易的なセルフチェックも可能です。

もし以下の項目に1つでも当てはまる場合は、すみやかに医療機関で検査を受けることをおすすめします。

尖圭コンジローマの潜伏期間

尖圭コンジローマの潜伏期間は3週間～8か月、平均して2～3か月程度です。

そのため、HPVウイルスに感染しているにもかかわらず、尖圭コンジローマを発症していないケースもあります。リスクの高い性行為をした場合は、症状の有無にかかわらず医療機関で検査を受けましょう。

参考：日本性感染症学会『尖圭コンジローマ』

尖圭コンジローマの検査方法

尖圭コンジローマはイボが特徴的なため、目視で診断する「視診」が主な検査方法です。

尖圭コンジローマの検査費用

尖圭コンジローマの治療方法

尖圭コンジローマの主な治療方法は、「外用療法（塗り薬）」と「外科療法」の2種類です。

外用療法は、医師が処方した塗り薬（ベセルナクリーム）を患部に塗り、イボを小さくしていきます。

外科療法は、物理的にイボを除去する手法です。電気メスによるイボの切除を行います。

尖圭コンジローマの治療期間

外用療法と外科療法で治療期間が異なります。

外用療法の場合、１日おきのセルナクリームの塗布を、最大16週間続ける必要があります。

外科療法の手術は10分程度で終了します。しかし、手術時に皮膚がダメージを受けるため、皮膚が修復するまでの約1か月間は経過を観察する必要があります。

尖圭コンジローマの治療費用

コンジローマは自然治癒するの？

尖圭コンジローマは、ごくまれに自然治癒することがありますが、基本的には治療が必要な性感染症です。放置すると、悪性化するリスクもあります。

また、症状の進行具合に応じて、治療期間が長くなる傾向があるため、早期治療が非常に大切です。

さらに、病気の放置は他者への感染リスクも高めます。症状悪化と感染予防の観点から、疑わしい症状が出た場合には、医療機関を受診しましょう。

尖圭コンジローマの予防方法

尖圭コンジローマをはじめとする性感染症の予防には、コンドームの使用が効果的です。

尖圭コンジローマは口や喉に感染するリスクもあるため、オーラルセックス時にも使用しましょう。

料金表

コンジローマ検査の料金表

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