トリコモナス症の検査・治療・感染原因・症状

トリコモナス症は、トリコモナス原虫が性器の粘膜に感染することで発症する性感染症です。
男女ともに、陰部のかゆみや排尿時の痛みを引き起こします。ここでは、トリコモナス症の感染原因、男女別の症状、そして検査と治療方法について詳しく解説します。

トリコモナス症とは

トリコモナス症は、腟トリコモナス原虫（Trichomonas vaginalis）が性器や内性器に感染して起こる性感染症で、陰部のかゆみや排尿時の違和感、痛みなどを引き起こします。

トリコモナス原虫は単細胞の微生物で、大きさは0.01～0.025mm程度のため肉眼では確認できません。

「腟トリコモナス」という名前で呼ばれていたり、男性には比較的軽い症状が現れたりすることから「男性には感染しない」と誤解されやすいですが、誤った情報です。男女ともに感染し、症状の程度に関わらず、治療を行わない限りまず完治しません。

トリコモナス症は世界的にも感染者数が多い性感染症の一つとされており、2020年には、15～49歳の人々の間で新たに、約1億5600万人のトリコモナス感染症者が報告されています（WHO調べ）。

他の性感染症とは異なり、若年層だけでなく中高年の発症も多い点もトリコモナス症の特徴です。

トリコモナス症の原因と感染経路

トリコモナス症の主な感染原因や感染経路は
・性行為
・便器や浴槽など湿度の高い場所
・粘膜に触れたタオルの共有
です。

トリコモナス症の主な感染経路は、性行為による陰部の直接的な接触です。1回の性行為で感染する確率が高く、コンドームを使用していても完全には防げない場合があります。

また、トリコモナスは湿気と適度な温度がある環境で生存できるため、稀に共有したタオルや浴槽の椅子、便座などからも感染するケースがあります。

ペットのトリコモナスは人間にも感染する？

犬や猫の腸トリコモナス（Pentatrichomonas hominis）は、腟トリコモナス（Trichomonas vaginalis）とは異なる原虫です。そのため人間には感染せず、症状も引き起こしません。しかし、衛生管理の観点から、感染したペットの排泄物や吐瀉物の処理は、獣医や専門家の指導を受けて、きちんと行いましょう。

トリコモナスの潜伏期間

トリコモナスの潜伏期間は10日前後です。しかし症状の現れ方や期間は個人差が大きく、無症状の方や、感染後6カ月経ってから症状が出る方もいます。感染の可能性がある場合は、早めに検査を受けましょう。

トリコモナス症の予防法

トリコモナス症の予防には、不特定多数との性的接触を避けることが重要です。また、特定のパートナーとの性行為時も、コンドームを正しく使用しましょう。また、粘膜を拭いたタオルの共有を避けることで、性行為以外での感染リスクも減らせます。

トリコモナス症の症状

トリコモナス症に感染した場合、男女で症状が異なります。

男性の症状

男性はトリコモナスが尿道に感染します。主な症状は排尿時の違和感や痛み、尿道からの微量の分泌物ですが、感染から日数が経っても無症状のケースも多くあります。このため治療が遅れ、尿道炎や前立腺炎に進行するリスクがあります。

完治したかは検査をしてみないとわからず、放置すると前立腺まで感染が広がるため、違和感を覚えたら自己判断せずに検査を受けましょう。

女性の症状

女性は、男性と比べて症状が現れやすい点が特徴です。泡状で悪臭のあるおりものの発生、外陰部の痒みや赤み、性交痛、排尿痛などがみられます。感染者の20～50%は無症状ですが、症状後しばらく経ってから症状が現れる場合もあります。

感染を放置すると、子宮内膜炎や卵管炎を引き起こして不妊や流産の原因になるため、早期治療が重要です。

トリコモナス症は母子感染する性感染症でもあり、感染のタイミングにより、早産や前期破水（陣痛が始まる前に羊水が漏れる状態）などを引き起こす可能性があります。

ただし、早期に治療を行えばこれらのリスクを避けられるため、妊娠中の感染が疑われる場合は医師の指示のもとで治療を行ってください。

妊娠中は膣内の自浄作用（膣を細菌やウイルスから守る働き）が低下するため、トリコモナスやその他の性感染症に感染しやすい状態になります。

妊娠を希望する方は、事前の性感染症検査やブライダルチェックを受けることで、母子感染の予防が行えます。

トリコモナス症の検査方法

池袋マイケアヒルズタワークリニックでは、トリコモナス症の検査を以下の方法で実施しています。

トリコモナス症はパートナー間で感染するケースが多いため、同時の検査を推奨しています。治療後も陰性が確認されるまでは性行為を控えましょう。

トリコモナスの検査料金

トリコモナス症の治療薬

トリコモナス症の治療には、一般的に内服薬または膣錠が用いられます。池袋マイケアヒルズタワークリニックでは、第一選択薬である「フラジール内服錠」を処方しています。

フラジール内服錠は内服薬で、ドラッグストアでの販売は行われていません。

トリコモナス症の治療薬のリスク・副作用に関して

トリコモナスの治療費用

トリコモナスは放置で自然治癒する？

症状の程度にかかわらず、トリコモナスは自然治癒しません。無症状であっても、自然に死滅はしないため早期の治療が必要です。

放置すると、男性は前立腺炎や尿道炎、女性は子宮内膜炎や卵管炎に進行するリスクがあります。感染を疑う場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

複数の性病を一度に検査できる池袋マイケアヒルズタワークリニック

当クリニックでは、トリコモナス単体の検査に加え、クラミジアや淋菌を含むセット検査も提供しています。これらの性感染症は症状が似ていることが多いため、同時検査をおすすめしています。

性感染症に関して心配なことがある方はお気軽にご相談ください。

ご来院が難しい方には、郵送の検査キットの販売も行っております。詳細は以下をご確認ください。

料金表

トリコモナス検査の料金表

トリコモナス治療の料金表