
クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマチスという細菌が粘膜から侵入することで感染する、近年増加傾向にある性病(※)です。
性器だけではなく、喉や目の粘膜にも感染し炎症を引き起こします。
この記事では、クラミジアの治療や予防に用いられる薬について解説します。
参考:(※)JIHS|性器クラミジア感染症の発生動向、2021年
目次
クラミジアの治療薬

クラミジアは、性別や感染部位(性器・のど・目・肛門)に関わらず、治療には抗生物質(抗菌薬)の経口薬が使用されます。
クラミジアの治療に使用される主な治療薬は、「ジスロマック」と「アジスロマイシン」の2種類です。
アジスロマイシンはジスロマックのジェネリック(後発)医薬品で、有効成分や効能効果に大きな違いはありません。
性器クラミジアの場合、治療薬は4錠を一度に服用します。基本的に1回の服用で治療は終了です。
その後3週間後を目途に再検査を行い、陰性が確認できれば治療完了となります。
咽頭クラミジアの治療薬
咽頭クラミジアは、症状が現れる部位こそ違うものの性器クラミジアと原因菌は同じなので、治療に用いる薬も同じ物です。
咽頭クラミジアの場合、治療薬を1回2錠、3日に分けて計6錠を服用します。
治療期間に個人差はありますが、薬を飲み終えてから3週間後にクラミジアの消失を確認する再検査を行い、菌が確認できなければ完治となります。
クラミジアの市販薬はある?

結論として、クラミジアの治療が見込める市販薬は存在しません。
抗生物質は、無闇に使用すると薬剤耐性菌を生む危険があります。そのため、クラミジアの治療に用いられる抗生物質の処方には、必ず医師の診断が必要です。
クラミジア治療薬の副作用
クラミジアの治療薬を服用した際、生じる可能性がある副作用は以下の通りです。
・下痢
・嘔吐
・腹痛、腹部不快感
・発疹、痒み
・食欲不振
など
クラミジアの治療薬で多く見られる副作用は、下痢や腹痛、吐き気などの胃腸症状です。これらはいずれも発生率が低く、一時的な症状になります。
治療中の注意事項
クラミジアの治療中には、以下のような注意事項があります。
・性行為は控える
治療中は性行為を控えてください。ここでいう性行為には、キスやオーラルセックスなども含まれます。
・服薬中の飲酒は避ける飲酒は薬の効き目を弱め、副作用のリスクを高める可能性があります。治療期間中はアルコールの摂取を避けてください。
・症状が消えても自己判断で服薬をやめない
症状が治まったように思えても、菌が体内に残っている可能性があります。菌が残っていると再発や他人にうつしてしまう可能性があるので、自己判断はせず必ず医師の判断にしたがってください。
また、完治する前に服薬を止めると、菌が耐性をつけてしまい薬が効きづらくなってしまう恐れもあります。
クラミジアの予防薬

クラミジア予防として有効な手段の1つが、性感染症予防薬”Doxy PEP(ドキシペップ)”です。
ドキシペップは性行為後72時間以内に服用することで、梅毒・クラミジアを90%程度、淋菌を60%程度と、高い確率で予防することができます。
ただし、100%の予防効果があるわけではないので、検査も行ってください。
感染の可能性がある性行為から72時間以内にドキシペップを服用したうえで、ウインドウピリオド(検査不能期間)経過後に性病検査を受けることをおすすめします。
「クラミジアの薬だけ欲しい」という場合は
池袋マイケアヒルズタワークリニックでは、基本的に検査を行ってから薬を処方しております。そのため、クラミジアの薬だけお渡しすることはできかねます。
クラミジアは他の性病と症状が似ているため、症状だけでは判断が難しいことと、淋菌との同時感染が起こりやすく、クラミジアの薬だけでは治療が不十分なケースもあるためです。
ただし、他院ですでに検査済みの場合は、検査結果をご持参いただければお薬の処方のみも対応可能です。
くわしくは、ご来院のうえスタッフにお尋ねください。
オンライン診療による処方も可能
「クリニックには行きづらい」という人には、オンライン診療がおすすめです。
池袋マイケアヒルズタワークリニックでは、オンライン診療に対応しております。お電話のみで診療が完結し、お薬は最短で翌日~翌々日に届くため、処方箋を持って薬局に行く手間もありません。
ご自宅にいながら必要な薬を手に入れることができるので、遠方にお住まいの方や都合で来院が難しい方、来院に抵抗がある方でも手間なく薬を手に入れることが可能です。
料金表
治療薬
予防薬
よくある質問
薬を飲めばクラミジアは完治しますか?
はい、治療薬を正しく服用すれば完治が見込めます。
ただし、陰性が確認される前に自己判断で治療を中断すると原因菌が耐性をつけて治療の妨げになる要因となります。自己判断せず、必ず医師に従ってください。
クラミジアは治療薬を飲んでから何日で治りますか?
症状の程度により個人差はありますが、服薬から3週間後を目安に再検査を行い、菌が検出できなければ治療完了となります。
薬を飲んでも症状が改善しません。なぜでしょうか?
可能性として、以下が考えられます。
・耐性菌の発生
・他の性病の併発
・パートナー間で再感染を繰り返すピンポン感染
再検査をしても体内に菌が残っているようなら、治療を見直す必要があるので、医師の判断に従ってください。