
性病の症状は性器周辺に現れるのが一般的なので、下痢と性病は結びつきにくいかもしれません。しかし、クラミジアや淋病、HIV感染症など一部の性感染症は、消化器官にも影響を及ぼし、下痢を引き起こすことがあるのです。
また、アナルセックスにより直接感染が起きた場合も、下痢など便に関する症状が出る場合もあります。
「性行為のあとから下痢が続いていて不安」という方は、何らかの性病に感染している可能性があるので、一度検査することをおすすめします。
この記事では、下痢の症状が現れる性病について解説します。
目次
下痢を引き起こす可能性がある性病
性病といえば性器のトラブルや排尿時の症状が注目されがちですが、一部の性感染症では腸に影響を与え、下痢や血便などの症状が出ることもあります。
ここでは、下痢を引き起こす可能性のある代表的な性病について、消化器症状の特徴と併せて紹介します。
疾患名 | 便や消化器官・排泄器官に起こる症状 |
クラミジア直腸炎 | 排便時出血、粘血便、肛門痛、下痢、腹痛、粘液便、肛門周囲の違和感など |
淋菌感染症 | 肛門のかゆみや不快感、下痢、血便、膿粘血便、肛門性交痛など |
HIV感染症/エイズ | 慢性下痢など |
梅毒(腸梅毒など) | 下痢、血便など |
クラミジア直腸炎

クラミジアは、日本で最も感染者数が多い性感染症(※1)です。直腸に感染し、「クラミジア直腸炎」を引き起こす可能性もあります。この場合、下痢をはじめ、排便時出血、粘血便、肛門痛、腹痛、粘液便、肛門周囲の違和感などの症状が現れます。
クラミジア直腸炎は、アナルセックス以外にも、性器や尿道に感染したクラミジアがリンパを介して直腸に達する「リンパ行性感染」によっても起こる可能性があります。
参考:(※1)大阪市|その他性感染症(クラミジア、淋病など)
淋病

淋病は、淋菌を原因とした性感染症で、性器だけでなくアナルセックスによって直腸に感染することもあります。男性同士の性交渉(MSM)に多く見られますが、女性が感染するケースもないわけではありません。
症状としては、下痢のほかに肛門のかゆみや不快感、血便、膿粘血便、肛門性交痛などがあります。肛門周辺に違和感がある、もしくは性行為後に下痢が続く場合は、肛門を含めた性病検査を行ってください。
HIV感染症/エイズ

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、免疫力の低下を引き起こすウイルスです。感染後2〜6週間で初期症状として発熱、咽頭炎、筋肉痛などが現れます。この時期の症状のひとつとして、32%の感染者に下痢(※2)が見られたという報告があります。
また、エイズを発症することでかかる日和見疾患でも、慢性下痢になることがあります。
※参考:(※2)性感染症 診断・治療 ガイドライン 2016|日本性感染症学会
梅毒

梅毒は、性行為や類似の行為によって感染する全身性の性感染症です。初期には感染した性器や口腔内などの部位にしこりといった症状がみられますが、進行すると全身に感染が広がり、消化器官にも影響を与えるケースがあります。ごく稀に、腸の病変による下痢や血便などの症状が報告されています。
性病による下痢の特徴や便への影響とは?
性病に感染すると、便に下痢以外の影響が出るケースがあります。以下のような便が見られた場合は特に注意が必要です。
便の種類 | 特徴・見た目の説明 |
水様便 | 形がなく、水のようにサラサラした便。頻回に排出され、脱水を引き起こすこともある。 |
粘液便 | 粘液が混じった便。便の表面がぬるぬるして見えることがある。 |
粘血便 | 粘液と血液が混じった便。ゼリー状の血液と便が混在しているような状態。 |
血便 | 真っ赤な血液や黒っぽい血液が便に混じる。出血量によって色調が異なる(鮮血〜タール便)。 |
慢性的な便の異常は、性感染症による腸の炎症のサインである可能性があります。
性病別の下痢以外の症状
性病の症状は多岐にわたり、複数の症状が同時に現れることがよくあります。
そのため、もし下痢以外の症状があれば、どの性病にかかっているかを判断する重要な手がかりになります。
以下に、下痢を引き起こす性病について、下痢以外の症状をまとめました。
性病名 | 下痢以外の症状 |
クラミジア感染症 | 男性:尿道のかゆみや痛み、不快感が生じ、尿道から膿や分泌液など 女性:おりものの異常や不正出血のほか、下腹部や上腹部の痛み、性行時の痛みなど |
淋菌感染症 | 男性:排尿痛、頻尿、尿意切迫感(急に起こる強い尿意)、膿などの分泌物 女性:38度以上の高熱、重度の寒気、嘔吐、不正出血、おりものの変化(量の増加、悪臭、黄色~黄緑色など) |
HIV感染症 / エイズ | 発熱、咽頭痛、筋肉痛、皮疹、リンパ節腫脹、頭痛、倦怠感、リンパ節腫脹、帯状疱疹、食欲低下など |
梅毒(腸梅毒など) | 性器・肛門・口などに硬いしこり、手・足・体に赤い発疹、全身に炎症が進行する、ゴムのような腫瘍が発生 |
性行為後に上記のような症状が出た場合、性病の疑いがあります。早期発見・治療のために、速やかに検査を受けてください。
下痢が続く場合は性病検査を

性行為の後、1週間以上の長期にわたって下痢が続く場合、性病に感染している場合があります。また、たとえ性器にトラブルがなくても、便の異常や胃腸痛、肛門の違和感がある場合は性病の可能性が否定できません。
近年は性病感染者数の増加も問題視されています。「下痢が続く」「消化器官や排泄器官に異常がある」という場合は、医療機関での検査を受けましょう。
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よくある質問(FAQ)
アナルセックスをしていないのに下痢になりました。性病の可能性はありますか?
はい、アナルセックス以外の性行為でも、性病に感染する可能性があります。
アナルセックスにより直腸感染する以外にも、性器や喉から感染して、腸などの消化器に症状が広がることで下痢の症状が現れます。
どの性病だと下痢の症状が出やすいですか?
下痢が症状として現れる可能性がある性病は、以下の通りです。
・性器クラミジア感染症
・淋菌感染症
・HIV感染症 / エイズ梅毒(腸梅毒)
これらの性病に感染すると、下痢以外にも、粘液便、水様便、血便など、通常とは異なる便が出ることがあります。
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