
梅毒とヘルペスは両者とも性感染症(STD)であるうえ、発疹やできものができるなど、一部の症状が似ています。そのため「似ている病気」とされやすく、自覚症状だけでは、どちらの病気に感染しているのかを判断するのは困難です。
近年「ヘルペスだと思って放置していたら梅毒だった!」という事例が増えています。
それぞれ治療方法が異なるため、検査により感染状況を正しく把握する必要があります。特に、梅毒は放置すると重篤な合併症を引き起こし、最悪死に至る可能性があるため、早期治療が非常に重要です。
この記事では、梅毒とヘルペスの症状の違いや見分け方などについて、症例写真を交えながら解説していきます。
目次
梅毒とヘルペスの症例写真
梅毒とヘルペスは、性器や口の周りにできものができるなど、症状が一部似ているため、自己判断で見分けることはほとんどできません。
実際にどれくらい症状が似ているのか、口元・腹部・性器周辺のそれぞれの症例写真を紹介します。
・口元の症例写真

・腹部の症例写真

・性器の症例写真


写真を見てもわかるように、できものの色や形状だけで梅毒かヘルペスかを判断するのは非常に困難です。正確な識別のためには、医療機関での検査が欠かせません。
梅毒とヘルペスの違い
梅毒とヘルペスは一部の症状が似ていますが、一方で、原因となる病原体や治療目的などに違いがあります。そこで両者の代表的な違いを比較表にまとめました。
梅毒 | ヘルペス | |
発疹・できもの以外の症状 | ソケイ部やリンパ節の腫れ(初期症状) | • 排尿痛 • リンパ節の腫れ • 発熱、倦怠感 など |
痛みの有無 | 初期段階では痛みがない | 痛みを伴う |
原因(病原体) | 細菌(梅毒トレポネーマ) | 単純ヘルペスウイルス(HSV) |
治療方法 | 薬物療法で完治を目指す | 薬物療法で症状の悪化や再発を防ぐ |
完治(再発) | 可能(再感染の可能性はある) | 困難(再発しやすい) |
それぞれの詳細は、こちらの解説ページをご覧ください。
梅毒とヘルペスの見分け方
梅毒とヘルペスには、上記の表でも紹介したように、発疹・できもの以外の症状や特徴に違いがあります。両者の一般的な見分け方を紹介するので、参考にしてください。
梅毒が疑われるケース
- 発疹やできものはあるが、痛みや痒みはない
- 手の平や足の裏など全身に発疹が広がっている
- 初期は発疹以外の自覚症状がない
ヘルペスが疑われるケース
- 痛みや痒みを伴う発疹やできものがある
- 発疹が出る部位が限定的
- 全身症状を伴う(発熱、倦怠感、筋肉痛、関節痛など)
自己判断は危険
上記で挙げた見分け方はあくまでも参考であり、必ず正しい判断ができるというものではありません。
例えば、感染初期の梅毒のできものでも、潰れたり擦れたりすることで痛みを感じる場合があります。また、梅毒が2期3期と進行すると、発熱や倦怠感などの全身症状が現れることも珍しくありません。
上記のような症状が現れた場合は必ず、性病検査・治療専門の医療機関を受診してください。
梅毒とヘルペスの重複(同時)感染の可能性も
梅毒とヘルペスはどちらも性行為によって感染するため、同時に両方の病気に感染してしまうケース(重複感染)があります。重複感染により、互いの症状を悪化させたり、治療が複雑になったりするので注意が必要です。
また、梅毒とヘルペスに限らず、複数の性病に重複感染しているケースは多々あります。重複感染の場合、感染しているすべての病気の治療が必要です。
医療機関で検査を受ける場合はセット検査メニューを選んだり、血液検査と視診を同時に受けたりなどして、複数の感染状況を確認することをおすすめします。
梅毒・ヘルペスの感染が疑われるなら、まずは検査を

梅毒もヘルペスも、放置するのは非常に危険な病気です。特に梅毒の場合は、進行すると命を落とす危険すらあります。身体に異変を感じたら早急に検査を受け、必要な対応をとりましょう。
池袋マイケアヒルズタワークリニックでは、一度の検査で複数の性病の感染状況を確認できるセット検査や、ヘルペスの感染を確認できる「できもの視診」などの検査メニューをご用意しています。
梅毒検査(TPのみ)1,900円即日4,900円
感染の機会から6週間
経過した方におすすめです。(TPのみ)
- 検査方法
- 血液
- 検査時期
- 感染の機会から6週間経過すれば受けられます。
- 検査結果
- 2~5日後(Web確認可)
できもの診察(視診)3,500円
できもの等の症状が似た
疾患の鑑別診断を行います。
- 検査方法
- 視診
- 検査時期
- 性器や身体の皮膚にできもの・湿疹などの症状が出ている方が対象です。
- 検査結果
- その場でお伝え
時計マークがついているメニューは+3,000円で30分後に検査結果がでます。
その他の検査メニューに関しては、池袋マイケアヒルズタワークリニックの料金表をご確認ください。
また、距離や時間的な理由で来院が難しい方に向けては、自宅で検査できる郵送検査キットの取り扱いもあります。
当クリニックは、来院による診療とオンライン診療の両方に対応しております。患者様のご都合に合わせて検査や診察が受けられますので、お気軽にご相談ください。
※郵送キットの検査項目については下記の「性病検査キット」ボタンより、商品ページをご確認ください。
よくあるご質問
梅毒を効果的に予防する方法はありますか?
梅毒に限らず、性感染症の予防に最も効果的なのは性行為時のコンドームの着用です。また、性病予防薬(ドキシペップ)は、梅毒に対し約90%という高い予防効果が期待できます。複数の予防方法を併用することで、より効果的に予防が可能です。また早期発見・治療のため、定期的な検査を受けることもおすすめします。《性病予防薬のページ》
梅毒が再発することはありますか?
治療が不十分であれば梅毒が再発する可能性があります。治療後は、完治したことをしっかりと確認してください。また、完治したとしても、再感染するリスクはゼロではありません。治療を終えた後も、予防に努めてください。
梅毒やヘルペスと同時に感染しやすい性病はありますか?
梅毒はHIVと同時感染しやすく、ヘルペスはクラミジアとの重複感染が多く報告されています。そのため、性病検査を受ける際は複数の性病の感染状況を確認できるようなメニュー選びをおすすめします。また、もし重複感染していた場合は、必ずすべての病気の治療を行ってください。