
性病の多くは、自然治癒が期待できません。医療機関で適切な治療を受けずに放置すると、病気によっては症状が悪化して命に関わるおそれがあります。
この記事では、性病が自然に治らない理由や放置によるリスクについて詳しく解説します。
目次
性病は自然治癒する?

性病の多くは自然治癒しません。それどころか、放置すると症状が悪化したり、他の人に感染させてしまったりします。
また、自然治癒を期待して長期間放置してしまうと、その後病院で治療を受けたとしても、治療期間が長引いてしまったり、完治しなかったりするおそれもあるのです。
性病の疑いがあるなら、必ず医療機関を受診し、専門の医師による正しい診断と治療を受けてください。
性病が自然治癒しないのはなぜ?
性病の原因となる病原体の中には、人体の免疫システムをすり抜けるものや、免疫を弱める働きを持つものが存在します。そのため、人体の免疫力だけでは体内から排除しきれず、放置すれば病原体が体内に残り続けます。これが、性病は自然治癒がほとんど望めない理由です。
また、体内の病原体が増殖することで、病気は進行していきます。
症状の悪化やパートナーへの感染を防ぐには、早期検査・治療が重要です。
自然治癒しない性病の例
自然治癒しない代表的な性病と主な症状例を紹介します。
病名 | 症状の例 |
---|---|
クラミジア | 男性:尿道の痛みや膿 女性:不正出血、おりものの増加 共通:喉の痛みや違和感(喉に感染した場合) |
梅毒 | 男性:亀頭や陰茎など性器周辺の皮膚に硬いしこり 女性:大陰唇・小陰唇を含む、女性器周辺、膣内に硬いしこり 共通:口唇・口腔内などにしこり ※上記は初期症状です。進行度合いによって症状が異なります。 |
淋病 | 男性:尿道炎、排尿痛、頻尿、尿意切迫感(急な強い尿意)、膿などの分泌物 女性:子宮頸管炎、高熱、寒気、嘔吐、不正出血、おりものの異常 共通:咽頭痛、咳、痰、扁桃腺の腫れ、発熱、声の出しにくさ |
トリコモナス | 男性:排尿時の違和感 女性:おりものの異常・におい・痒み |
ウレアプラズマ | 男性:陰部の痒みや軽い痛み、排尿痛、尿道からの膿 女性:おりものの増加、外陰部の違和感や痒み、排尿時の痛み 共通:のどの痛みや腫れ、咳 |
マイコプラズマ | 男性:性器の痛みや痒み、排尿痛、尿道からの膿、睾丸の腫れ 女性:おりものの増加、性器や性器周辺の痛みや痒み、子宮頚部の炎症、性交痛 共通:喉の腫れや痛み、喉の違和感やイガイガ、咳 |
※マイコプラズマについては、自然治癒するというデータもありますが、消失には1年以上を要することもあります。また、この調査は女性に限定したものです。
上記のほかに注意すべき性感染症として、HIV感染症があります。
HIV感染症は自然治癒することはなく、未治療で放置すると平均して約10年ほどでエイズ(AIDS)を発症します。潜伏期間中でもウイルスは増殖を続け、免疫力を徐々に破壊していきます。その結果、通常ではかからない弱い病原体にも感染しやすくなったり、悪性腫瘍を発症したりすることがあります。
放置すると命に関わるので、感染した場合は必ず、医療機関で治療を受けてください。
放置すると重症化のリスクも!
自然治癒しない性病を放置した場合、次のようなリスクがあります。
病名 | 放置のリスク |
---|---|
クラミジア | 男性:精巣上体炎、不妊 女性:骨盤内炎症性疾患、不妊・子宮外妊娠 共通:再感染・HIV感染リスク上昇 |
梅毒 | 深刻な合併症を引き起こす可能性 |
淋病 | 男女ともに不妊症のリスク 目に感染した場合失明のリスク 敗血症や関節炎、心内膜炎、髄膜炎などの重大な合併症から命にかかわる可能性 |
トリコモナス | 男性:尿道炎、前立腺炎 女性:子宮内膜炎、卵管炎、不妊や流産の原因 |
ウレアプラズマ マイコプラズマ | 男性:精巣上体炎、前立腺炎など 女性:子宮頸部炎、卵巣炎、骨盤内感染 そのほか、深刻な合併症、慢性的な炎症につながる可能性 |
性病は自然治癒を期待せず医療機関で治療を

性病は自然に治ることはほとんどなく、放置すると重症化するおそれがあります。少しでも心当たりがある方は、早めに医療機関で検査を受け、適切な治療を行いましょう。
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感染の機会からすぐに受けられます。

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感染の機会から約2ヶ月経過した方におすすめです。

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よくあるご質問
性病は放置するとどのくらいで悪化しますか?
病気の進行の早さは種類や個人の健康状態などによって異なります。
例えば、女性がクラミジアに感染して初期症状が現れた後、数週間~数カ月ほど経つと卵管炎や骨盤内炎症へと進行するケースが多いです。さらに症状が悪化すると、不妊症や子宮外妊娠へと発展していくこともあります。
クラミジアは自然治癒しますか?
クラミジアは、基本的に自然治癒しない性病です。
放置して病状が進むとさまざまな合併症を引き起こし、不妊症につながる恐れがあるため、医療機関で適切な治療を受ける必要があります。また、免疫ができにくいので、他の性病に比べて再感染のリスクが高い傾向にあります。
喉の性病は自然治癒しますか?
喉や口腔に感染した性病も、自然に治ることはまれです。感染した性病にもよりますが、一時的に症状が落ち着いても、原因である菌やウイルスが完全になくなったわけではありません。治ったと勘違いして放っておくと、再び悪化したり他者に広がる危険があるので、医師の指示に従って最後まで治療をしてください。
性病を放置して死ぬことはありますか?
はい、性病によっては放置すると命に関わる場合もあります。
たとえば梅毒は、治療を受けずに長期間経過すると心臓や脳をはじめとした臓器にまで症状が及び、重大な障害を引き起こして死に至ることもあるのです。また、HIV感染症を放置することでエイズを発症します。